易しい葬儀解説

易しい葬儀解説 曹洞宗の葬儀とは

曹洞宗の葬儀のメインは、授戒です。字の通り故人に戒(戒律)を授けるのです。戒律を授かると故人は僧となり、体を失い煩悩を離れた故人は、成仏することが出来るのです。葬儀は授戒するための準備から始まります。

剃髪(ていはつ)

まず、僧となるべく、髪を落とします。いわゆる坊主頭とするのです。念珠様(維那)が棺の前で、剃刀を手に剃髪の儀式を行います。実際に髪を落とすことはしませんが、この儀式により、故人の髪は落とされます。

授戒
懺悔(さんげ)

キリスト教では「ざんげ」と読みますが、仏教では「さんげ」です。しらずしらずのうちにたまってしまった故人の罪や業を懺悔するため、故人に成り代わりお役僧様方が御導師様に続いて懺悔文をお唱えします。これにより、故人の罪や業はすべて消え去り、大清浄となります。

灌頂水(かんちょうすい)

次に、御導師様より灌頂水を頂きます。御導師様の頭の頂点には、お釈迦様から脈々と受け継がれてきた仏血水があり、それを水の入った器に入れ、故人の頭の頂点に注ぎます。実際には諸処の都合により、棺の上から降り注ぐことで頂点に注いだものとしています。これにより、故人の頭の頂点にも、御導師様と同じく、お釈迦様と同じく、歴代の祖師方と同じく、仏血水が宿ったのです。

帰依三宝

仏(ほとけ)、仏法、僧侶という、三宝に帰依します。懺悔文と同じように、故人に成り代わり、お役僧様方が御導師様に続いて三帰依文をお唱えします。これにより、故人は三宝へ帰依したことになり、それらを大師(大いなる師)として仰ぎ、師事していくこととなります。

三聚浄戒・帰依三宝

ここが一番大切なところです。故人に13の戒律をお授けします。故人は帰依三宝と合わせて16の戒律を授かることになります。このうち、生活に密着した戒律である十重禁戒については、皆さんにも知って頂きたいので、葬儀の後の初七日法要、百ヶ日法要で解説を致します。

血脈(けちみゃく)授与

授戒の、葬儀の、クライマックスです。懺悔し、仏血水を受け継ぎ、帰依し、戒律を授かって、故人は仏弟子となりました。その証として、お戒名と血脈をお授けします。血脈の中には、お釈迦様のお名前、歴代の祖師方のお名前、御導師様のお名前が書かれており、それらが一本の赤い糸で繋がれ、その最後に故人のお戒名が書かれています。この線は仏法がお釈迦様より脈々と受け継がれてきたことを表していて、その最後に故人のお戒名があるということは、故人に仏法が受け継がれたことの証なのです。

お釈迦様のお名前や祖師方のお名前には、その方々のお徳が詰め込まれており、血脈の中には大変なお徳が入っていることになります。お骨と共にお墓にお入れし、そうしたお徳の力によって、故人がより成仏しやすくするのです。

位同大覚

御導師様より、故人は諸仏と同じ位に入ったと宣言がなされ、授戒が終わります。

葬儀式

故人をお棺に入れる儀式、お棺の前で行う法要、お棺を担ぎ上げる儀式、墓地へと向かう儀式が行われます。昨今ではすでにお棺に入った状態で儀式が始まりますし、すべての儀式が終わってから出棺となるため、これらの儀式はすべてその場で続けて行います。

途中で「チン・ドン・ジャーン」と鳴らし物があります。これは、墓地へ向かう葬列の最中に行われていたものです。

弔辞・弔電

ここで、弔辞ないし弔電披露が行われます。このあと秉炬(ひんこ)の儀となり松明(たいまつ)がくべられるので、故人のお体がまだあるうちに行うのです。

秉炬(ひんこ)の儀

棺に松明をくべる儀式です。つまり、火を付けるのです。現在は火葬場にて火葬が行われるので、松明をくべる真似をします。真似とはいえ、御導師様に火を付けて頂くことに意義があります。

引導法語

続いて御導師様より、餞別の言葉を頂きます。まず生前の業績について述べられます。そして、仏様になったとはいえ、まだ種から二葉が開いたかのような生まれたばかりの仏様である故人に対し、これから心がけることなどをお示しし、立派な仏様になられることをお祈りします。

告別式

最後に告別式です。葬儀全体をさして告別式と言われることが増えていますが、告別式は葬儀の中の一部です。喪主様より順にお焼香をして頂き、お役僧様方にご供養のお経をお唱えして頂きます。

お焼香が終わるまでお経は続き、その終わりをもって葬儀終了となり、出棺へと続いていきます。


制作・著作 宗教法人正太寺