原因は?

 アメリカ、ニューヨーク州、およびワシントン州でのテロ事件。報道番組で航空機が激突する瞬間や、犠牲者の遺族や行方不明者へのインタビューをみるたびに、強い憤りを覚えます。

 「報復しなければ」とうてい僧侶とは思えない考えが、頭の中に浮かびます。

 でも、ちょっと待って。

 以前「ひとりごと」でも取り上げたように、何事にも原因があり、結果がある。そう、だから、今回のテロだって、何かしらの原因があるはずなのです。

 その原因を詳細に調査せずに、安易に報復行動に出るのは、知性ある人間としていかがなものか。

 テロは犯罪です。殺人事件であれば、犯人の特定はもちろん、殺人に至った経緯を究明します。それと同じことが果たして為されるのでしょうか。

 現在、アメリカの国家機関が総力を挙げて犯人特定を急いでいます。でもその先、原因の究明はするのでしょうか。テロリズムにそんな捜査は必要ないのでしょうか?

 テロは、追いつめられた人たちにとって、唯一、強者に立ち向かう手段だと考えられます。そのテロが、昔から幾度となく繰り返されてきました。それはつまり、この地球上に追いつめられた人がいるということです。

 その彼らと平和的な決着をつけない限り、テロは終わりを告げません。今現在、今回のテロの首謀者として名前が挙がっているウサマ・ビン・ラディン氏を打倒したところで、第2の「ウサマ・ビン・ラディン」が現れないと、どうして言えるでしょうか。

 報復は、さらなる報復を呼ぶことでしょう。悪夢の連鎖がおころうとしています。今のアメリカに自制を求めるのは無理かもしれません。それならば、止めてあげるべきでしょう。日本国民の代表として、首相にはそうした行動を望みたいのですが・・・

制作・著作 宗教法人正太寺