17才

 物まねが得意な友人Kが、自分がキレた時のことを話してた。彼曰く、
「全然記憶にないんですよ。」

 私はまだ、そんなふうにキレたことはない。どんなに怒りを覚えても、どんなに冷たい言葉を浴びせても、どこかに、先の展開を冷静に考えている自分がいた。

 私はまだ、キレるということを体験していないのだろうか?

 最近、17才が注目されている。キレやすく、すぐ人を傷け、殺める。
 でも、ちょっと待ってくれ。彼らは、自分のキレた時をちゃんと覚えている。それは、キレてはいないんじゃないか?

 私と同じ状態。どんなに我を忘れそうになっていても、どこかで次のことを考えている。冷静に。おそらく、普段とは比べものにならないほど冷静に。

 では、17才の彼らは、冷静に、人を殺めたのではなかろうか?

 もちろん、真実は本人にしか分からないし、私のような性格の人間は、特殊なのかもしれない。でも、人間はしょせん人間。だれもかれも、大差無いはずなのだ。

 Kは続けて言う。

「めちゃめちゃいかりながら、ダチョウ倶楽部の上島の真似してたらしいんですよね」

 人がキレたときは、その人の本質が垣間見えるのかもしれない。だったらきっと、キレた人は、他人を殺めたりしない。

制作・著作 宗教法人正太寺